20代、30代の若手医師キャリア形成

キャリア他
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若手医師のキャリアプラン、キャリア形成に相談されることが多くなってきたので私の経験も踏まえて、初期研修病院や新専門医制度になってからの研修基幹病院の選び方などを中心に若手医師のキャリアについて語っていきたいと思います。

私自身は大学病院の分院で研修し、大学病院の分院の救急診療科に入局しました。その中で小児科研修にも出させてもらい、救急科専門医、小児科専門医、集中治療専門医、感染症専門医を持っています。国内留学もアメリカに基礎研究留学も経験しています。大学病院や国立病院、市中病院などで働いた経験もあります。

私個人の背景も考慮しつつ参考にしてもらえればと思います。

20代、30代医師のキャリアの流れ

若手医師のキャリアの流れを説明していきたいと思います。

ます初期研修医が2年あります。2020年度のマッチング結果によると大学病院が39%、市中病院(正式には臨床研修病院)が61%と市中病院の方が人気があります。

大学病院離れが深刻化しており、初期研修医制度が始まる前は大学病院での研修が7割超でした。徐々に大学病院で研修する人は減少し、2005年には大学病院で研修する人が49%と市中病院に逆転されています。

その後、後期研修医と言われる専門医を取得する期間に入ります。専門医にもよりますが3~5年間研修が必要になります。

新専門医制度に入ってから専門医になるには新専門医制度機構にのっとったプログラムに参加する必要があり、新専門医制度のプログラムに9割の人が参加しています。

この時点で1割が専門医を取得できません。

新専門医制度のプリグラムを統括する基幹病院はやはり大学病院が多く、後期研修医時代になると大学病院で6割弱、市中病院で4割強で就職となります。

大学病院のプログラムの中でも市中病院で働くことがあることから、大学病院で基幹しているプログラムに入る人はもっと多いと思います。

後期研修の最中や研修後に大学院に進学し博士学位を取得したり、留学に行ったり、ライフイベントとして結婚、出産、子育てなどがあると思います。

ちなみに市中病院に行っても多くの大学病院では社会人大学院生もあるので博士学位を取得は可能です。

後期研修後になりますが2段目のサブスペシャリティーの専門医を取得が可能です。2~3年間の研修をしてサブスペシャリティーの資格を取得します。

この若手医師のキャリアの流れは何を取得したいかにもよりますが、10年目前後で専門医取得や博士学位の取得、留学などが終了すると思います。

私はこの若手のキャリアプランについてさらに話していきたいと思います。

初期研修病院の選び方

初期研修病院の選び方は

  • 臨床能力や手技 OR 学術的な勉強
  • 給料や待遇
  • 場所
  • 人間関係
  • 将来の進みたい道

などを考慮して決めていくのが良いと思います。

大学病院では初期研修医も後期研修医もたくさんいるため、臨床での判断を迫られることや手技が多くできるなんてことはありません。

ただ学術的な勉強やエビデンスに基づいた治療がなされています。

逆に市中病院に行くとCVカテーテルや手術はどんどんやらせてもらえます。

私も初期研修病院を探すうえでとても悩んだ点でした。私はバランスが良い大学病院の分院で研修することにしました。

給料や待遇は市中病院の方が圧倒的に好待遇になります。

大学病院での給料は年収300万前後ですが、市中病院であれば400~800万前後です。

市中病院の多くは寮を用意してくれるところが多いです。研修医室も研修医の人数が少ないため広く使えます。

研修医の採用人数ですが大学病院では同期が30~80人と多くの人がいます。気が合う仲間が必ずできます。

市中病院は10人未満のとこも多く、気が合う人がいなくて困ったなんて話も聞きます。

新専門医制度ができた一番の原因と言われている地方の偏りですが大都市6都府県(東京、神奈川、愛知、大阪、京都、福岡)で42%の人が初期研修を行っています。逆に41道県で58%しかいません。一極集中となっています。

地元や出身大学でない限り大都市に出るのは初期研修医のときが圧倒的に有利です。

大都市に一度行ってみたいという人は2年間という期限もあるのでこの際に出ることをオススメします。

あとは自分が進みたい道があるかというのも大事です。

初期研修している病院では後期研修で採用してもらえる確率があがります。

市中病院では神経内科や血液内科が外来しかないという病院もあります。

沖縄中部病院、亀田総合病院、手稲渓仁会病院、国立国際医療センターなどここでしか受けられない教育がある病院もあります。

最終的には自分が何が一番大事なのか判断して初期研修先を決めましょう。

診療科で悩んでいる人はこの記事も参考にしてください↓

後期研修病院の選び方

初期研修病院は60%が市中病院だったのに後期研修病院は40%まで落ちることを考えると単純計算すると市中病院の3人に1人が大学病院に戻ってきたことになります。

初期研修は2年で研修が終わるため辞めやすいですが、後期研修はなかなか辞められません。

後期研修が終わっても基本領域の専門医やサブスペシャリティー専門医の取得、大学院の進学、研究留学などにつながっていくため10年前後の付き合いになります。

後期研修先は初期研修先より慎重に選びましょう。

後期研修は長い期間付き合うことになるため大事なことは2つ

  1. ここ先10年なにを一番大事にしたいか?
  2. 人間関係

です。

大学病院、つまり医局に所属すると絶対に給料も安く、重労働になります。

これは単純に臨床だけでなく教育と研究を担っているので診療報酬は国が決めているので仕方ありません。

ただ医局に所属していないと大学院に進学して博士の学位やサブスペシャリティーの専門医を取得する確率は減ります。

ただ市中病院にいても社会人大学院生として学位を取得することも可能です。

サブスペシャリティーの専門医は病院の規模にもよりますが取得できる専門医はかなり減ります。

研究留学はさらに大学病院でないと行くことは難しくなります。

海外の研究留学は大学病院が大学や研究所と提携していくことがほとんどです。英語能力と研修実績があればその限りではありませんが言っている人は少ないです。

この先10年のあいだに 絶対に大学院に入って研究がしたい、サブスペシャリティーの専門医を取得したい、海外の研究留学したい って人は医局の入局を勧めます。

逆に学位やサブスペシャリティー専門医、海外研究留学に興味がない人は市中病院で後期研修をしてください。

給料面でも仕事の忙しさでも圧倒的に好待遇になります。研究や教育の時間が大幅に減るので当たり前です。

2つ目は医局の雰囲気や人間関係を確認してください。

  • 給料はポジションで決まる
  • 仕事のしやすいは人間関係で決まる

と言われるように人間関係はとても重要です。

1-3年先の先輩によく聞いてください。良い点、悪い点は聞くと思いますが、「何が大変なのか?」と聞くと意外と本音が出てきます。試してみてください。

私は絶対に海外に留学したいと思って医局に入局したので留学できてよかったと思います。

やっぱり医局を辞めたいって人はこちら↓

まとめ

初期研修病院も後期研修病院も要は一番何が大事を考えて決定してください。

給料、待遇、場所、大学院に進学し学位、サブスペシャリティー専門医、人間関係、結婚、出産、子育て、その他プライベートなことなどなどたくさんあると思います。

初期研修医は2年、後期研修医は10年と思って真剣に考えましょう。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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